読み聞かせから一人読みへ|移行期にやること

公開

読み聞かせのときはあんなに集中していたのに、一人では本を開かない。この状態は、読書が嫌いになったのではなく、移行期でつまずいていることが多くあります。この記事では、読み聞かせから一人読みへ移る時期に、家庭で何をするかを順にまとめます。

結論:読み聞かせをやめずに、読む本だけを下げる

移行期にやることは3つです。

  1. 読み聞かせはやめない。並行して続ける
  2. 一人で読む本は、読み聞かせより大きく水準を下げる
  3. 「読み切った」で終わる経験を、数多く作る

一人読みを始めるからといって、読み聞かせを卒業させる必要はありません。ここを同時にやると、子どもにとっては楽しい時間が消えて、難しい作業だけが残ります。

なぜ移行でつまずくのか

読み聞かせと一人読みは、別の活動です。

読み聞かせでは、子どもは耳で物語を受け取ります。文字を追う作業は大人がやっています。一人読みでは、文字を目で追い、音や意味に変換し、話の筋を追う作業を、すべて子どもが同時に行います。

耳で理解できる水準と、自分で読める水準には差があります。読み聞かせで楽しめた本を一人で渡されると、その差の分だけ負担になります。開かないのは自然な反応です。

1. 一人で読む本は大きく下げる

一人読み用の本は、読み聞かせで扱っている本よりはっきり下の水準にします。目安は次のとおりです。

学年の推薦図書は基準になりません。推薦図書はその学年の平均に向けて作られたもので、目の前の子の今の状態とは関係がないからです。

下げすぎたと感じるくらいで、ちょうど進みます。簡単な本を何冊も読み切ったあとのほうが、次の一冊に手が伸びます。

2. 交互に読む

いきなり全部を一人で読ませず、交互に読むやり方があります。1ページずつ、あるいは1行ずつ、大人と子どもで交代します。

こうすると子どもの負担は半分になり、最後まで到達しやすくなります。読み聞かせの延長線上にあるので、移行の抵抗も小さくなります。

慣れてきたら、子どもの担当を少しずつ増やします。割合を変えるだけで、やり方そのものは変えません。

3. 「読み切った」で終える

移行期に効くのは、読んだ量ではなく、読み切った回数です。

途中でやめた本が積み上がると、本は最後まで読めないもの、という感覚が残ります。逆に、薄い本でも最後のページまで行った経験が続くと、次を開くことへの抵抗が下がります。

読み終えたら、感想を求めないほうがうまくいくことがあります。感想を言わされる時間が待っていると、読むこと自体が面倒になります。内容を確認したいときは、質問ではなく、大人が先に一言だけ感想を言う形にします。

4. 読み聞かせは続ける

一人読みを始めたあとも、読み聞かせは続けて構いません。

読み聞かせは、一人ではまだ読めない水準の本に触れられる時間です。物語の面白さを知る経路として、一人読みとは別に働きます。

やめる時期は、子どもが必要としなくなったときで十分です。移行のために、こちらから打ち切る理由はありません。

それでも本が続かないとき

やり方を整えても止まる場合、原因は本の選び方の側にあることが多くあります。その子の今の水準に合う本を、毎回、継続的に選び続けるのは手間のかかる作業です。

原因の切り分けから確かめたい場合は、子どもが本を読まない|原因の切り分け方にまとめました。

選書を外部に任せる方法もあります。ヨンデミーは、子どもの好みと読書レベルに合わせて本をすすめるオンラインの読書教育サービスです。1日3分程度のレッスンがあり、登録した図書館で借りられる本が優先的にすすめられます。ただし本はアプリでは読めず、図書館か書店で用意します。条件はヨンデミーが向く子・向かない子にまとめました。

まとめ

よくある質問

読み聞かせはいつやめればよいですか。

急にやめる必要はありません。一人読みができるようになっても、読み聞かせを並行して続けている家庭は多くあります。読み聞かせは、一人ではまだ読めない水準の本に触れる時間として役立ちます。

一人読みを始める目安はありますか。

ひらがなとカタカナを一人で読めることが、ひとつの目安になります。ただし読めることと、読み続けられることは別です。文字数の少ない本から始めてください。

交互に読むやり方は効果がありますか。

移行期のやり方としてよく使われます。1ページずつ、あるいは1行ずつ交互に読むと、子どもの負担が半分になり、最後まで到達しやすくなります。

音読と黙読はどちらがよいですか。

移行期は声に出すほうが進みやすいことがあります。ただし音読が負担になっている場合は、黙読に切り替えて構いません。目的は読み切ることです。